いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭

いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭 2019

ガルガンのーと 公演のこと 【ガル部長のお勉強5】水墨画の世界?!奇跡を生む弦楽四重奏

ガル部長のお勉強もいよいよ後半戦! 今回はヴァイオリニストである大村さんだからこその視点で、「究極の音楽の世界」を語っていただきます。前置きは早々に、大村さんの熱い講義が始まったようですよ…?二人の会話をこっそり覗いてみましょう!

水墨画の世界・弦楽四重奏

大村:
ガルちゃん、大編成のオーケストラは極彩色のパレットだって話したのを覚えているかい?(ガル部長のお勉強第一弾

ガル:
もちろんガル!

大村:

では、その真逆の世界、例えていうなら水墨画の世界を紹介しよう。

ガル:
水墨画?白と黒?和風ってこと…?

大村:
いやいや、弦楽四重奏のことだよ。僕は今、オケから弦楽四重奏に軸足を移して、金沢蓄音器館という所で演奏活動をしているんだ。モーツァルトの弦楽四重奏曲全曲からスタートして今までに45回のコンサートをしてきたけれど、弦楽四重奏の素晴らしさ、そして難しさに関しては、語りつくせないくらいだよ。

ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロの4人で創り上げる音楽の水墨画!(ボロディン弦楽四重奏団)

ガル:
えっと、弦楽四重奏は、ヴァイオリンが2人、ヴィオラとチェロがそれぞれ1人ガルね。

大村:
正解!たった4人、しかも等質な4つの弦楽器というとてもシンプルな素材を使って描き出す音楽。想像してごらん。4つしか音がないということは、ほんのわずかなズレが致命的な事故に繋がる、演奏する側にとってはとっても難しい世界なんだよ。

ガル:
はっほんとだ。

弦楽四重奏は奇跡=宇宙そのもの!

大村:

例えていうなら、オケはジャンボ機のようなもの。1回のフライトで必ずいくつかの故障はあるが、多少の事はあっても、墜落はしないようになっている。でもね、弦楽四重奏は違う。音がほんの少しずれただけで、存在すべきものが存在しなくなってしまうんだ。

ガル:
飛行機だったら飛べない!

大村:

その通り。4つの声部、どれを足しても引いてもだめという世界。世界的な弦楽四重奏団といわれる団体は、完全な調和、つまり宇宙そのもののような、音楽の奇跡を繰り広げているんだよ。

ガル:
それが、ボロディン弦楽四重奏団ガルね!

大村:
そう。奇跡中の奇跡といって差し支えない弦楽四重団が、僕たちが住むこの金沢にやってくるんだよ。

ショスタコーヴィッチ部下:ボロディン弦楽四重奏団は1945年結成と大変歴史のある団体なのですね。「室内楽の開拓者」と言われるボロディンにちなんだ名前とか。ショスタコーヴィッチからも作曲の相談を受けたと聞きました。

大村:

そう。音楽史を創り上げてきた、まさに音楽の世界遺産だよ!

音楽の挑戦の歴史を紐解く公演!

ガル:
あっ。曲目にそのショスタコーヴィッチさんの弦楽四重奏曲が入ってる!ガル思ったんだけど、4つの音だけで音楽を作るって、きっと作曲家さんにとっても難しい挑戦ガルね

部下:
そうそう!私調べたんです!もう一つはハイドンの作品ですよね。ハイドンは「弦楽四重奏の父」、そして「ロシア四重奏曲(Op.33)はハイドンにとっての音楽上の実験とも言える、当時としては革新的な作品なのだとか。

ガル:
弦楽四重奏っていう音楽の挑戦の歴史を、音楽の世界遺産・ボロディン弦楽四重奏団が紐解いてくれるこれってガル祭の奇跡ガルね!

大村:

うまいこと言うね、ガルちゃん。でも本当に、こんな素晴らしい機会は滅多にない。僕たちもその奇跡の目撃者にならなきゃいけないね。

音楽祭ってなんて、なんて、なんて贅沢な公演ばかりなのでしょう!
金沢にいながらにして、世界の音楽の歴史を間近で体感することができるなんて。音楽の世界遺産を、私たちのこの耳でしかと聞いておかねば...
3月5日(火)現在、文中でご紹介しているA33の公演は残席わずかでございます。皆さまどうぞ、この機会を聞き逃されませんよう!

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